試合で最高のパフォーマンスを生み出すために、『ゾーンの入り方』室伏広治著

卓球は運動神経はもちろんのこと、全力疾走しながらチェスを行うメンタルスポーツだとも云われています。

日々の練習で卓球の技術を磨くだけでなく、集中力も鍛える必要があります。

どんな環境に置かれても最高のパフォーマンスを生み出すためにはどうすればいいのか。試合は普段の練習とは環境が違います。

勝たなければいけないというプレッシャー、家族や仲間たちからの声援。

ガクガクブルブルと震え、日頃の練習の成果が全く出なかったということはありませんか。私はしょっちゅうです。

試合で最高のプレーをするために、オリンピックハンマー投げ金メダリストの室伏広治著『ゾーンの入り方』が参考になるのではないかと思い、手にとって読んでみました。

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目次

目次紹介

第1章 究極の集中力をつける
第2章 ゾーンに入る
第3章 限界の超え方
第4章 ゴールへのアプローチを最適化する
第5章 「自然体」が一番強い
第6章 体を整える

目次から,ゾーンの状態に入るということはどういうことか、ゾーン状態になりやすくするための日頃のトレーニングについて解説していることが分かります。

ハンマー投げという競技

ハンマー投げは投擲場に入り、ハンマーを回転させて投げる瞬間まで高い精神集中力を必要とする競技なのだそうです。

ただ力任せにハンマーを投げていたのでは思うように飛ばず、集中力を極限にまで高め、計算され尽くした最適な角度とタイミングで投げてこそ、遠くまで飛んでいきます。

小柄な日本人選手が大柄な外国人選手に勝つためには筋力だけではなく、頭と集中力を鍛えるべきだと、室伏選手は述べています。

室伏選手の集中力を鍛える努力は、卓球の試合における集中力を鍛えるための参考になるのではないでしょうか。

究極の集中力とは何か

室伏選手はアテネ五輪のとき、集中しようと思ってもなかなか集中できず、周囲の騒音を物理的に遮断しようとしてもそれはとても無理なことであり、諦めて大地に寝転びました。

明るいスタジアムの空の彼方に煌く星を見つけたとき、「これは、いけるぞ」と立ち上がり、続く投擲でベストパフォーマンスを発揮して見事金メダルを獲得しました。

その時、

どんな状況に置かれても、その場に馴染むことができれば、自分本来の力を出すことができる

と確信したのだそうです。

量よりも質の練習を

室伏選手は選手生活の後半は年齢的な衰えもあり、練習内容の見直しを行いました。ただやみくもに量をこなすだけの練習は体を痛め、怪我の原因ともなってしまうからです。

練習で投げるの1本1本の目的を明確にし、集中し、考えて投げていたのだそうです。

日頃から量よりも質を高める練習を考えて実行することが、本番でゾーン状態に入るための土台作りと考えることができます。

練習量がただ多くても、勝負には勝てません。

若い頃の室伏選手は、ただただ練習の数をこなせば良いと考えていました。若い頃は1日に100本以上投げていたハンマーは、質を上げることにより1日30本ぐらいで十分となりました。

ゾーンとは何か

卓球のトッププレーヤーたちの試合を見ていると、ある時フッとゾーン状態に入り、何をしてもボールが相手のコートに突き刺さっていく。

そんなシーンをよく見かけますよね。

伊藤美誠選手はゾーン状態に入るのがひじょうに巧い選手で、追い込まれた状況からゾーン状態に入り、逆転勝ちするシーンをしばしば見かけます。

集中力が極限まで高まり、心技体が完全に調和し、ほとんど無意識な状態で最高のパフォーマンスを発揮できた。

そんなゾーン状態を一度体験すればそれを再現できると述べています。

その状態にたどり着くまでに行った努力と経験の中に、そのヒントがあり、意図的にそれを実行すれば、再びゾーン状態に入ることができると室伏選手は考えました。

極限状態での精神をコントロールできれば、ゾーン状態になれるというわけです。

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限界を超える

「もう限界」といっている人に限って限界まで頑張ったことがなく、「まだまだ」といっている人ほど伸びしろがあると、著者は言っています。

苦しい練習を楽しくする工夫を

与えられたノルマや練習メニューをこなすだけのトレーニングは、最初のうちは良いかもしれませんが、次第に飽きてしまいます。

飽きてしまうと、今まで楽しかったはずの練習が苦しいものに変わってしまいます。

今まで正しい練習と言われていたものが、実は間違った練習方法だったということもあります。

時には他のスポーツに挑戦してみて、これだと思う練習方法があったのならば、どんどん取り入れてみることも大切です。

様々な練習方法を取り入れたり、編み出したりするなど試行錯誤しながらの練習は、苦しさというものを感じないはずです。そこには自分の意識が働いているからです。

読後感想

スポーツにおける教養

スポーツ一辺倒の筋肉バカではなく、筆者の頭の良さというか、教養の高さがわかる一冊です。ひじょうにロジカルなのに、わかりやすい文章で書かれています。

年齢による体の衰えをカバーするべく、ハンマー投げで勝つためには何をすればよく、それを成し遂げるためには日頃のトレーニングをどう工夫すればよいのか、室伏選手は常に考えています。

スポーツに必要なインテリジェンスを感じさせる内容となっています。

ゾーン状態に入るために

ゾーン状態とは、「無我の境地」という状態といったところでしょう。

周囲のものがぼやけ、己のみに集中する。一種の悟り状態に近いのかもしれません。

ゾーン状態に入るためには才能など必要なく、日頃のトレーニングによって誰でもゾーン状態に入ることができます。

日頃のトレーニングが精神修養そのものなのでしょう。

部活動の時間の短い進学校が子たちが、部活動時間の長い練習量勝負のそこそこの強豪校といい勝負をしているのを見かけることがあります。

しかも進学校の生徒たちのほうがメンタルが強いのか、競る場面で勝つ確率が高かったりします。

進学校の生徒は一つひとつの練習に対して目的意識を持ち、毎回反省と改善を繰り返しているからではないか考えています。

ゾーン状態に入っているというか、頭のいい子たちの方が集中力が比較的高い印象があり、日頃の練習量の割に高いパフォーマンスを発揮しているように見受けられます。

ゾーン状態とは、ゾーン状態に入ろうと思って入れるものではなく、日頃から集中し、考えて練習を続けることにより、本番で無意識のうちにゾーン状態に入れるものだと思います。

日頃から論理的に考えて練習し、本番でベストパフォーマンスが発揮できるようにしたいものですね。

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